世の不思議を解き明かすサイエンスblog

入れ歯治療の事例

2011.01.21

包丁のような切れ味に、再び噛める喜びを味わう日々。多くの方が、本でMTコネクターと出会っている。大久保さんもまた、地域の図書館の本でMTコネクターを知った。平成19年3月のことだ。当時の大久保さんは、下の右奥に入っていたブリッジができなくなっていた。歯槽膿漏のために奥歯を抜歯したからだが、下には近くの歯科クリニックでつくった部分入れ歯も使っていた。しかし、入れ歯の調整がうまくいかず、空気が漏れるような状態だった。「MTコネクターはよさそうに思えましたが、大阪まで通うのは大変でしょう。でも、近くの歯医者で失敗していますし、しばらく考えていました」そんな大久保さんを後押ししてくれたのは、家族のひと言だった。「歯は命にかかわるもの。歯ぐきがしっかりしていないけど、先生なら何とかしてくれるんじゃないの」家族からこう言われ、とりあえず先生に相談する決心を固めたのだ。7月初旬、大久保さんは大阪に向かう。併設されている歯科クリニックの待合室で順番を待っているとき、大久保さんはいろいろ考えたという。「正直にいえば、不安がないわけではありませんでした。『本当に本のとおりなのかな』とか、『何でも噛めるのかな』とか、『痛くないのかな』とか……ね。歯医者で失敗していると、そんな気持ちになりますよね」そうした大久保さんに、ある一人の患者さんが話しかけてきた。「その方はあちこちの大学病院の歯科にかかったそうですが、『ここでMTコネクターにしてよかった。本当にピッタリ合って、何でも噛めるのよ』と言われたんです。このひと言で不安が消し飛んで、決心が固まりました」8月初旬に治療用義歯をつけはじめ、9月末には本義歯が入った。普通の場合は治療用義歯を3ヶ月程度はめるが、噛み合わせがそれほど悪くなかったため、治療用義歯の期間が1ヶ月半ほどですんでいる。大久保さんの場合、進行性の歯槽膿漏のため、将来的に治療が必要になると考えられた。そのときのことを考えて将来設計義歯にしたが、でき上がった将来設計義歯は1回で大久保さんにフィットした。「歯が悪いと気分がふさいで、やる気もなくなります。先生のおかげで食べられるようになって気分が明るくなったうえ、大きな楽しみができました。カマボコやタクワンなんか部分入れ歯では噛めなかったんですが、いまはカマボコもタクワンも食べられるようになりました。自分の歯と同じです」微調整で大阪にいくこともあるが、クリニックの待合室で初めての患者さんを見ると、大久保さんはつい声をかけてしまうという。「私がお話を聞いて助かったように、つい声をかけてしまうんです。『先生につくっていただいた義歯は、切れ味がいいというか、気持ちよく噛めますよ。包丁のような切れ味で、噛める喜びを再び味わっています』って、ね」大久保さんにMTコネクターにする決心を固めさせたのは、患者さんのひと言だった。大久保さんもまた、その喜びをつい人に伝えたくなってしまう。これも、MTコネクターに満足していればこその話である。