野母崎樺島で知るひとぞ知る逸品を作るUさんは、手間を惜しまぬ製法で、時期のものしか作らない。春から秋はからすみ作りを休んでしまう。鹿児島、熊本などの産地にも買い付けに歩く。それでも1000個に足りない希少な品である。いつ、どれだけ塩を抜くかが味の決め手。真子の大きさ、塩のなれ具合でひとつひとつ違う。誰にも見せたことがないという塩抜きの極意は、張りついて見てたってとうていわかりっこない。カンである。冬のさなかに、半日手を水につけっぱなし。ものによっては、ひと晩がかりになることもある。
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