先輩の話では路上教習でちょっと一服という時にポケットにねじ込まれたたばこを後で喫おうと思って手にしたら、万札が貼り付いていたなんてこともあったらしい。プレゼント攻勢は、こういう時代の名残りだから、昔と比べれば、そういう事実はごくわずかなものである。昔は目立たなかったことが、いまは派手にやれば問題にされるから気をつけなさいよ、というのが現在の自動車教習所の方針ではないだろうか。大型や特殊免許にもなれば収入も大幅に変わるから取ろうとする方も必死だったし、私が教官になった十数年前と現在と比べても、受講生の態度は真剣だったはずだ。教官への賄賂がその真剣さのあらわれなどと言ったら不謹慎かもしれないがそんな気がするのも事実だ。当時と比べると、現在は運転免許が金にならない時代である。受講生が免許を取ろうとする目的も生活のために絶対に必要という人は少ないから、その学び方にも当時とは差があるようだ。